孤独死保険

独り暮らしの高齢者が増える中「孤独死保険」が注目されています。

内閣府調査によると、2000年に約300万人だった65歳以上の独居高齢者は2015年には約600万人へと2倍に増加しており、それに伴い「孤独死」も激増しています。

日本少額短期保険協会によると、東京23区内の65歳以上の孤独死者数は、2002年の1364人から2014年には2885人に増加しており、遺体発見までの平均日数は、男性で23日、女性で7日だったそうです。

問題は孤独死が発生し、遺体が何日もそのままになると、腐敗が進行して異臭騒ぎが起きることもあり部屋全体をリフォームするしかありません。

部屋をリフォームしても、その後の入居者が見つからないケースは多く、孤独死者の残置物処理費用(遺品整理)や原状回復費用(特殊清掃・リフォーム)の合計額は平均40〜80万円前後に及びます。

身寄りのない人が亡くなった場合は、それを家主が負担することになるため、大手の損保会社は孤独死が社会問題化したごろから、賃貸物件の家主向け保険商品を相次いで発売しはじめました。

それに伴い、高齢で身寄りのない方が賃貸物件に入居を希望する際に、家主さんや不動産会社が保険の加入を条件にするケースが多くなりました。

家主さんからすれば切実な話しかもしれませんが、入居者からすれば部屋を借りる前から「孤独死しそうな人」と決めつけられているようなものですが、それでも加入しなければ入居できない物件もありますし、当店でも大家さんには保険に入って頂く方が入居者と互いのリスクを回避できると薦めています。

生命保険は「将来、家族が暮らしに困らないように」という理由で加入するものでしたが、それが「家族がいないからこそ加入しなくてはならない」という時代に変わり始めました。

こうした孤独死に対応した保険商品は、今後どんどん増えていきますし普及していくとおもいます。

保険に加入することで、身寄りのない高齢者に部屋を貸し渋っていた賃貸物件オーナーが減り、互いに保険でリスク回避をする事で安心した老後生活を送って頂きたくことができます。